友松直之監督『囚われの淫獣』を見に行った。

横浜光音座の最終上映。500円、安い!

マイミクさん他ピンク映画関係者から問題作やら傑作やら賛否がありとても楽しみにしていました。

見た結論で言えば「問題作」でも「傑作」でも無かったかな。ネタバレは避けますがあのプロットを監督が思いついた時点で登場人物を魅力的に掘り下げて描くことやストーリー展開は二の次になってしまったのでしょう。

冒頭の柚本紗希のくだりはピンク映画では見た事のないAVのようでもあったが、S1とかのAV出演作品よりも柚本紗希が魅力的で尚且つエロく撮られていてとても良かった。「お前らが作っているピンク映画なんて全然エロくないんだよ!」って事か?この時点まではかなり高得点。「おお、凄い!確かにコレは挑発的だ!」と思ったんですが

「さあ、映画を始めよう」というところから高まる気持ちは一気に失速しました。テロップにしろ、台詞にしろどうもピンク映画関係者に向けられている感じでお客さんが置いてきぼりにされている感じがしました。確かにピンク映画館にハッテンじゃなくて映画観賞に来ている人なんて全国に何人いるんだって話ですが。「SAW」なんかよりもメチャクチャ話がチープになっても良いから津田篤さんのキャラクターをもっと掘り下げて柚本紗希さんと津田さんによるウディ・アレンの「カイロと紫のバラ」的な展開が見たかった。うん、見たい!

倖田李梨さんのレイプシーン、確かに熱演でしたがどうも嫌な気分になりました(笑)。嫌な気分にさせた時点で監督の勝ちなのかな?例えば池島監督作品での倖田李梨さんは70分という短い時間で色々な表情を見せてくれるし、最近さくら企画の李梨さんのエロ・オーラ出まくりのDVDを見たばかりだったので李梨さんファンとしては今作は物足りなかったです。

ピンク映画関係者でない、只のピンク映画ファンの自分にとっては挑発的どころか逆にこじんまりとまとまっちゃったかなという印象です。僕的には「未亡人銭湯 おっぱいの時間ですよ」のような作品こそ色々な意味で挑発的なピンク映画だと思っているので。友松監督作品で例えるとピンク映画では無いですが「STACY」を思い出しました。

でも友松監督作品は今後も楽しみにしています。毎回ヒットを打つわけではないですが(失礼!)『わいせつ性楽園 おじさまと私』は大傑作!池島作品以外で10回以上ピンク映画館に足を運んだのはコレくらいですよ。あと友松監督の著書「純愛戦記」。コレまた傑作!ピンク映画好きな人で読んでない人がいるようでしたら読むことをおススメ致します。

純愛戦記―届かなくても、愛してる。

純愛戦記―届かなくても、愛してる。